栄養について学ぶことは、単に不足している栄養素を補うことではなく、身体がどのように作られ、維持されているのかを知ることにつながります。
「骨を強くするにはカルシウム」。子どもの頃からそう教わってきた方も多いと思います。しかし、骨はカルシウムだけで作られているわけではありません。
骨を守るために大切なのは、栄養を摂ることに加えて、身体がその栄養を利用できる環境を整えることです。
今回は、将来の骨を守るために知っておきたいことを、3つの視点から紹介します。
①骨は「カルシウムだけ」では守れない
カルシウムは骨の重要な材料ですが、摂取量を増やせば増やすほど骨が強くなるわけではありません。
骨づくりには、カルシウムの吸収を助けるビタミンDや、骨の形成や代謝に関わるマグネシウムなど、複数の栄養素が関係しています。
特にビタミンDは、腸管からのカルシウム吸収を促す重要な栄養素です。厚生労働省の資料でも、日本人ではビタミンD不足・欠乏に注意が必要とされています。
さらにマグネシウムは、体内に存在する約50〜60%が骨に含まれており、骨の構造やカルシウム代謝にも関係しています。
つまり重要なのは、「カルシウムをどれだけ摂ったか」だけではなく、摂った栄養を身体が利用できる状態にあるかということです。
②現代は「骨を育てる環境」が減っている
昔と現代では、骨を取り巻く生活環境も変化しています。
ビタミンDには食事から摂取するだけでなく、紫外線を浴びることで皮膚でも作られる特徴があります。しかし現代では、屋内で過ごす時間が増え、日焼け対策も一般的になりました。
さらに大きいのが、身体活動の変化です。
骨は一定の負荷や衝撃を受けることで、その環境に適応していきます。歩く、階段を上る、立ち上がる、軽く跳ぶといった日常的な動きも、骨にとっては大切な刺激です。
実際に、体重を支える運動や筋力トレーニングは骨密度の維持・改善に有効であることが、多くの研究で示されています。
便利になった現代では、「栄養が足りない」だけでなく、骨に必要な刺激そのものが少なくなっていることにも目を向ける必要があります。
③骨は「栄養」と「刺激」で育つ
私たちは骨を「一度作られたら変わらないもの」と考えがちですが、実際の骨は古い組織を壊す「骨吸収」と、新しい組織を作る「骨形成」を繰り返しています。
つまり骨も、毎日少しずつ作り替えられている組織です。
だからこそ、骨を守るためには食事だけで考えないことが大切です。
カルシウム、ビタミンD、マグネシウム、たんぱく質などを食事から摂り、適度に太陽の光を浴び、歩く、立つ、階段を使うなど、日常の中で身体に刺激を与える。
こうした「食べる」と「動く」の組み合わせが、骨を守る土台になります。
骨粗しょう症や骨折は、ある日突然始まるものではありません。骨量は若い時期に高まり、その後は加齢とともに変化していくため、症状が出てからではなく、元気なうちから骨を守る習慣をつくることが重要です。
骨を守ることは、単に骨折を防ぐことだけではありません。
自分の脚で立つ。歩く。出かける。好きなことを続ける。
10年後、20年後もこうした日常を続けるために、今日の食事、今日の一歩、今日浴びる太陽の光が、未来の骨をつくっています。
「骨=カルシウム」だけではなく、「食べる・動く・浴びる」まで含めて考えること。
それが、これからの骨づくりに大切な考え方です。

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皆様が20年、30年先も健康的なライフスタイルを過ごしていけるために、これからも日常に活かせる健康のヒントを発信していきます。

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