栄養について学ぶことは、「良いものを食べる」「悪いものを避ける」という単純な話ではなく、食べたあとに身体がどう反応しているのかを知ることにつながります。
「揚げ物を食べると胃が重い」「胸がムカムカする」「翌日まで疲れが残る」。
こうした感覚を、年齢や食べすぎのせいだと思っていないでしょうか。
もちろん揚げ物そのものを悪者にする必要はありません。しかし、油は加熱の仕方や繰り返しの使用によって性質が変化します。
今回は、揚げ物と身体の関係について3つの視点からご紹介します。
①「揚げ物=悪い」ではなく、油は加熱によって変化する
揚げ物は一般的に170〜190℃ほどの高温で調理されます。
このとき油では「酸化」という変化が起こります。特に高温で長時間加熱したり、同じ油を繰り返し使用したりすると、過酸化物やアルデヒド類などの酸化生成物が増えていきます。
これらは細胞への酸化ストレスや炎症反応との関連が研究されている物質です。
また、揚げ物を食べたあとに胃が重く感じる理由の一つには、脂質そのものの消化に時間がかかることも関係します。脂質の多い食事は胃から十二指腸へ食べ物を送り出す「胃排出」を遅らせるため、胃もたれや膨満感を感じることがあります。
つまり、「揚げ物を食べたあと身体が重い」という感覚には、単なる気のせいではなく、消化や代謝の負担が関係している可能性があるのです。
②「新しすぎる油」と「少なすぎる栄養」
現代の食生活では、揚げ物だけでなく、スナック菓子、カップ麺、ファストフードなど、高温調理された食品を口にする機会が増えています。
さらに、じゃがいもや穀類など糖質を多く含む食品を高温で揚げたり焼いたりすると、「アクリルアミド」という物質が生成されることがあります。
国際がん研究機関(IARC)では、アクリルアミドを「ヒトに対しておそらく発がん性がある」とするGroup 2Aに分類しています。ただし、これは食品を一度食べただけで健康被害が起こるという意味ではありません。日常的に焦げた食品や高温調理食品へ偏りすぎないことが大切です。
一方で、現代の食事でもう一つ考えたいのが「身体を守る栄養」です。
野菜や果物、海藻、きのこ、豆類、ナッツなどには、ビタミンやミネラル、食物繊維、ポリフェノールなどが含まれています。
揚げ物だけを減らすのではなく、こうした食品を一緒に摂ることまで含めて食事を考える。
「何を食べないか」だけではなく、「身体に何を入れるか」という視点も大切なのです。
③身体の「炎症サイン」に気づく食べ方
揚げ物を完全に禁止する必要はありません。
大切なのは、食べたあとに身体がどう変化したのかを感じることです。
胃が重い。胸がムカムカする。翌朝まで胃に残っている感じがする。喉が渇く。身体がだるい。
こうした反応が毎回のように起こるのであれば、身体からの小さなサインとして食べ方を見直すきっかけになります。
また、調理するときには油から強いにおいや煙が出るほど加熱しないこと、焦げすぎた部分を避けること、何度も加熱した油を使い続けないことも大切です。
そして、揚げ物を食べるときには、野菜や海藻、きのこ、発酵食品などを組み合わせることで、食物繊維やさまざまな微量栄養素も一緒に摂ることができます。
揚げ物を「食べてはいけないもの」にするのではなく、身体の反応を感じながら付き合っていく。
その感覚こそが、自分に合った食事を見つけるための大切な基準になります。
食事は、栄養成分だけで判断するものではありません。
同じ食べ物でも、調理方法、油の状態、食べる量、一緒に食べるものによって、身体への影響は変わります。
「胃が重い」「なんとなくだるい」という小さな違和感も、身体が発している大切な情報かもしれません。
その声に気づき、次の食事を少し変えてみる。
そうした積み重ねが、身体の負担を減らし、20年、30年先の健康につながっていきます。

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皆様が20年、30年先も健康的なライフスタイルを過ごしていけるために、健康のために必要なことをこれからも発信していきたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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