運動について学ぶことは、単にカラダを鍛えることではなく、本来の動きを取り戻すことにつながります。肩の動きは、姿勢や呼吸と深く関係しています。日々の違和感を改善する鍵は「整えてから動くこと」にあります。
今回は、肩が上がらない原因とその改善について、3つの視点から紹介します。
①肩は上がっている「つもり」になっている
「腕は上がりますか?」と聞かれると、多くの方が「上がる」と答えるかと思います。しかし実際には、腰を反ったり首に力が入ったりと、本来とは違う形で動かしていることが少なくありません。
本来の肩の動きとは、胸郭が広がり、呼吸が入りながら自然に腕が上がる状態です。また、肩関節の屈曲・外転動作の参考可動域は「約180度」とされています。これは、肩をすくめることなく、腕が耳の横まで自然に上がる状態を指します。
無理に上げている状態では、肩や首に負担が集中しやすく、疲労や違和感の原因になります。
※参考可動域とは「関節が本来持っている正常な動きの目安」であり、医療現場やリハビリテーションの評価でも用いられる
②現代は「少なすぎる動き」が増えている
現代の生活では、スマートフォンやデスクワークの影響で前かがみ姿勢が続き、腕を大きく使う機会が大きく減っています。一方で、本来人間が行っていた「上を見上げる・腕を伸ばす・体を大きく使う」といった動きは少なくなっ
ています。この「使わない時間の増加」が、肩の動きを制限している大きな要因となっています。
本来は日常の中で自然に行われていた動きが減ることで、関節の可動域だけでなく、動きをコントロールする力そのものが低下していきます。
③肩ではなく「呼吸と感覚」を整える
肩の動きを良くするために、筋肉を鍛えたりストレッチをすることも大切ですが、それ以上に重要なのが「呼吸」です。呼吸が浅くなると体は交感神経優位(緊張状態)になりやすく、肩周りの筋肉も無意識に力みやすくなります。
実際に、呼吸と肩の動きの関係については、いくつかの研究でも示されており、胸郭の可動性が制限された状態では肩関節の可動域が低下しやすいことが報告されています。
さらに、ある研究では被験者を「通常呼吸群」と「深呼吸(横隔膜呼吸)を意識した群」に分けて肩の挙上動作を評価したところ、深呼吸群では「肩甲骨の上方回旋や後傾」が促進され、結果として肩関節の可動域が有意に向上したという報告もあります。これは、横隔膜・肋骨・胸郭の動きが改善することで、肩甲骨のポジションと動きが整い、腕の挙上動作がスムーズになることを示しています。
胸郭が広がり、呼吸が深く入る状態をつくることで、肩は自然と動きやすくなります。
つまり、動きは単独ではなく、呼吸や姿勢とつながって成り立っているのです。
肩の動きは、筋肉だけでなく、呼吸・姿勢・日常の使い方によって大きく変わります。
可動域を広げるためには、無理に動かすのではなく、動きやすい状態を整えることが重要です。
呼吸が入り、胸が広がることで、本来の動きは自然と引き出されていきます。
つまり、肩の改善とは「鍛えること」ではなく「本来の動きを思い出すこと」とも言えるのです。
肩の可動域はトレーニングで作るものではなく、日常の中で取り戻していくものです。
立つ・歩く・手を伸ばすといった何気ない動作の中にこそ、本来の動きのヒントがあります。
「どう動かすか」を意識することで、カラダは少しずつ変わり始めます。
その積み重ねが、将来の動きやすさと健康につながっていきます。
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皆様が20年、30年先も健康的なライフスタイルを過ごしていけるために、健康のために必要なことをこれからも発信していきたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
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