“If breathing is not normalized, no other movement pattern can be”
呼吸が正常にならない限り、その他の動作パターンは 変わることはないだろう
ーDr. Karel Lewit
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重心や、地面から 垂直に伸びた線に囚われすぎていませんか?
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ここ数年、スマートフォンやタブレット型端末が普及し、子どもからお年寄りまで画面を見ることが増えました。人体の革命的な進化を今とげようとしているのです。それは、IT機器が急速に広がった影響で首や肩、背中や腰などに今までにない負荷がかかっているということです。強いものは環境に適応する生き物であると言われていますが、この環境に適応してはいけません。
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そんなお話の続きでしが、よく言われている耳から肘からみたいな直線的な評価では、私たちの曲線を作っているカラダを評価できないのでは?と言われています。そもそも自然界に直線は存在しておらず、人類が作り出した建築物や評価によって直線が創造されてから、西洋医学の発達と共に評価しやすい直線的な地面から垂直に伸びた軸にとらわれるようになってきたようです。今回はタイトルにもあるように、呼吸のお話を少ししていきます。そもそも、呼吸って誰かに習いましか?ほとんどの方がないかと思います。ちなみに呼吸は、平均で1分間に12から20回呼吸すると言われています。
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1日は1440分
1分に10回呼吸すると14400回
1分に15回呼吸すると21600回
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よく呼吸が大事と言っていた理由はここにあります。なんせ 1日2万回も呼吸しているのですから。飲食しなくても2~3日は生きらますが、呼吸ができなくなったら10分はもたないでしょう。大切な呼吸を整えることで、様々な効果が期待できるのです。
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姿勢のコツとは、「姿勢を正しなさい」とよく人に言われていませんでしたか。良い姿勢ととろうとすると、背中とお腹に力を入れて背筋を伸ばす人が多いかと思います。その姿勢、皆さんは長時間続けられますか。学生の頃の卒業式、入学式でさえ辛かったかと思います。そんな辛い姿勢が正しい姿勢と言っていいのでしょうか。良い姿勢というのは、「心地よく呼吸ができる、勢いのある姿」です。常に呼吸がしやすく、心地よい姿勢を取れることが大切です。その正しい姿勢を作るには、身体の4つのリズムを獲得する必要があります。
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【リズム1】 足底8点を地面につけ、重心をバランスよく配分する
足底8点とは、足の5つの指腹・母指球・小指球・踵の底面のことです。この8点をしっかり地面につけ、ほぼ均等に体重を振り分けていくことで、体重をしっかり支え、身体のバランスを保ってくれます。
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【リズム2】 仙骨を心地よく前傾させる
【リズム3】 胸(胸骨)を軽く上に向ける
仙骨は、背骨の下部の骨で、骨盤の後壁の一部になります。この仙骨が心地よく前に傾くことで、同時に胸骨(胸の中心)が上を向きます。そうすることで、肺が膨らむための胸の器(胸郭)が常に大きい状態を保ってくれます。この2つのリズムが同時に行われることで、自然と腹筋群が働き、お腹を引き締めてくれます。
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【リズム4】 舌が上顎に着く位置に頭を置く
最後頭の位置です。正しい頭の位置は、舌の位置でわかります。力を抜いた状態で頭を動かすと、上顎にしたがつく位置があるかと思います。その位置が、気道が開き呼吸がしやすい頭の位置です。食事の時に下を向いた方が食べやすいのは、舌が下あごにつき食道が開くからです。この4つのリズムが揃う事で、呼吸をするための器(身体)が常に大きい状態を保ってくれます。つまり、身体のエネルギーとなる酸素をより多く取り込める身体になるのです。この4つのリズムは、実は赤ちゃんの頃、歩き始めの時に全ての人が一度獲得しているものです。しかし、普段の私生活の癖でリズムが崩れ、呼吸のしづらい身体になってしまうのです。逆に言えば、全員が一度は獲得しているリズムなので、できないことはありません。ぜひ、私生活でふと思いついた時に、意識してみてください。
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私たち人間のカラダには約206個(成人)の骨が存在しています。全ての骨にはそれぞれ重要な役割がありますが、今回ご紹介させていただきたいのが『骨盤』(こつばん)です。骨盤が文字通り「骨」の基「盤」(きばん)であり、上半身と下半身の中間点に存在する所謂連結部分です。骨盤は、背骨を支える土台となる重要な骨集合体です。その集合体は、大きく分けて三つの骨(左寛骨、右寛骨、仙骨)で構成されています。寛骨(かんこつ)は、腸骨(ちょうこつ)、座骨(ざこつ)、恥骨(ちこつ)という三つの部位に分けられます。例えるなら、寛骨という大陸の中に、腸骨、座骨、恥骨という三つの国があるというイメージです。骨盤は、女性にとっても男性にとってもカラダの要と言われます。骨盤は骨以外にも筋肉や臓器にも関与しています。日常動作である「歩く」「姿勢を保つ」「排泄する」といった様々な働きをしています。
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現在、一般的に知られている正しい姿勢や良い姿勢は、垂直壁面にかかとから頭までをぴったりと付けた状態での立ち姿勢でイメージされる事が多いのではないでしょうか。書籍やインターネット情報などでも多く散見します。しかしながら、実はこの垂直に立つイメージでの姿勢は多くの誤解を生んでおり実は非自然的な姿勢であるが故に、その姿勢を維持しようとすると、知らずに自らの運動機能を低下させてしまったり無理を強いれば肩や腰への痛みの原因になる可能性があります。その非自然的な理由について、二つの観点から鑑みて、合点のいかない解釈である事がわかります。
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①人間の進化からの観点
水平面からの垂直線は、人間が建築技術を持つに至ってから生み出された線です。私たちの祖先は、この垂直線を生み出す前から二足で生活をしているのですから、いつから人間は自らが生み出した線に支配された姿勢をとらなければならなくなったのかと言う観点から見れば、垂直につ立つことの矛盾が見えてきます。
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②人体構造からの観点
水平面に垂直に立つということは、身体を真横から見た場合、カメラの三脚のような構造バランスで立つということです。カメラの三脚が地面から垂直に立つためには、支柱を支える全ての脚の長さが同じであり、支柱との傾斜角度も全て同じである必要があります。では人体の足の構造はどうでしょうか。くるぶしから前方の骨格をつなぐ線とでは、長さも違えば織りなす傾斜角度も違います。建築構造から見ても、この構造では支柱を垂直に立てることが難しいということに気づくでしょう。では、実際に何を基準で姿勢を考えるべきなのでしょうか。
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それは「呼吸」です。日本人は姿勢を「形」と見なすことが多いです。しかし、野生動物に目を向けると「形」を整えるために姿勢を意識している動物などいません。彼らの生きている目的は「生きるために生きている」というシンプルな本質であり、その生きている証として「呼吸」があります。呼吸を豊かに行いやすいポジションを取ることで、結果として背筋が伸び、胴体の上に頭がしっかりと乗っていたという「形」を生きる本質の結果現象として見ていく方が、生命力豊かな姿勢と言えます。
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・何故いい姿勢が良いのか → 気持ちよく呼吸ができるため
・何故気持ちよく呼吸ができることが良いのか → 生命維持のため(生きるため)
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生きるという目的のために呼吸のしやすいポジションに持っていけば、自ずと姿勢は正されるのです。「いい姿勢」「悪い姿勢」と区分され、皆さんもこの言葉を聞いたことある方も多いと思います。ここで皆さんに質問です。『姿勢』と言う言葉について考えたことはありますでしょうか。姿勢とはカラダの構えのことを言いますが、熟語を分解すると「姿」の「勢い」になります。そもそもこれは、「どのような姿の勢い」なのでしょうか。
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姿勢の本質とは、欧米型の姿勢観と日本型の姿勢観の相違について、欧米型は生き方そのものの様であり、日本型は礼儀作法を表す様であるとも言われてます。故に、日本人は姿勢を「形」と見なすことが多くなり、動的姿勢である歩行に対しても、形を整えることを優先しがちです。しかし、野生動物に目を向けてみると、動物の世界では「形」を整えるために姿勢を意識している動物などいません。彼らの生きている目的は、「生きるために生きている」と言うとてもシンプルな本質に忠実に生きているのです。そして、その生きている証として「呼吸」があります。動物も植物も魚も昆虫も、呼吸なしでは生きていけません。人間も呼吸を豊かに行いやすいポジションに置いてみると、結果として背筋が伸び、胴体の上に頭がしっかり乗っていたという、「形」を生きる本質の結果現象として見ていく方が、生命力豊かな姿勢と言えるでしょう。
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生きる:動物としての生きる目的
↓
呼吸:生きている証
↓
勢:生きる力の勢い
↓
姿:すなわち「姿勢」となる
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姿勢とは、動物として生きるための、呼吸をする勢いのある姿。ということ言います。形だけで見るのではなく、カラダの機能から見ることが大切です。本質部分を知るだけで、カラダはより豊かな状態へと近づいていくと考えます。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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